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43話に関するネタばれらしいものがございまして、一応畳みます。
大丈夫の方中へどうぞー。



「サニーさんは、僕のことが好きですか?」
「・・・すきじゃねぇし。なんっバガな事を言い出すんだし。」
「そうですか。」
「そ。」

美しくないモンは好きに成れない、美しくない事は絶対しない、美しくない人なら会話すらしたくない。

だから、気付けよ。


ひらりら、蝶が飛ぶ。
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夢がない。


ココは夢が見ない。
・・・見る事が許されていない。
夢の中の甘く世界に溺れる訳にはいけないからだ。

毒は出る。
腐蝕性が強いの毒はコントロールしないと、ベットが消える。
少年時代はよくこれで三人に笑わせる。
それに睡眠中でも野獣が襲われて来る可能性はある為、ずっと警戒態勢に入っている。
睡眠が浅い。

・・・あと、夢から覚めるのは、恐いからだ。

目が覚めると、ゆめは消えてく。
虹色の泡のようにきえてく。

それが一番耐え切れなかった。

「・・・失うより、最初から無い方が良い。」

そうやって自分に言いつつ、そして自分も納得した。
・・・筈だった。







「・・・では、試験を開始します。」
パシャ、シャ。波の音が終わることもなく響き続いている。
・・・ここは?
ビリビリと臭いが皮膚を染みってく、痛みは段々強くなっている。手を見ると、浮ぶのは不気味な紫色。
タ、ダ。毒が湧く。
足先に、同じく紫色な波が迫って来る、ザー、パジャって、ゆっくり迫って来る。
ーー死の海、最大の難関と言われっているの黒き自然現像・毒潮。
普通の人間は呼吸するさえ出来ないこの悪魔の海浜で、たっだ独りで立ち向かう。
・・・何の為に?
「ココ様、海へ。」
・・・なぜ?
「これは、あなたの免疫機能に対する最後の試験になりますゆえ。」
・・・何の意味がある?
「ご無事を祈ります。」


「・・・。」
早く死んでくれ。
「・・・ああ。」
なんという危険な能力だ!
「・・・・・・いってくる。」


気持ち悪い奴じゃ。




「いっそ浦島太郎にもなろうかな。」
笑わない冗談を口にするたび、自分の滑稽さは嗚呼と囁く。
死の海の海水は塩味?それとも上品な瑠璃バニラのあじなのかな。
分別できない、舌もうじわじわと痺れているから。
方向はみえない、目も朦朧している。
でも感じている。
体は毒を分析しているの喜び、細胞は毒を吸収しているの満悦さを。

・・・ああ、なんという下品な生物なんだろう。


「ココさん、こんばんは。」
「?!」
「あれ?ココさん?どうしましたか?」
「小松・・・クン?」
「はい、僕ですけど?」
それは何が?と小松は微笑んだ。
「こ、ここは・・・なぜここに!?」
死の海の最大の難関と言われっているの黒き自然現像・毒潮。
 普通の人間は一息で死に至るこの毒の海。
今も黒い牙を向き合ってるこの毒の空気。
小松君は居ちゃ行けない場所。

「早くここから離れなさい!」
「何でですか?」
「ここは・・・!!」
「ここはココさんが居なきゃいけない場所、でしょう?」
「・・・小松・・・クン?」

「ですから、ぼくもここに居ます。」
ほら。
ふと手を取る、花が咲く。

「・・・?!」

パアー

「ココさんは、僕と一緒にいるのは、いや?」
花が咲く。
世界はピンク色。




「小まっ・・・!」
めが、覚めた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ア、アハハ・・・」
まだこの夢。
まだ小松君の笑顔。
まだ、泡のように消えてく。


ココさん。
・・・いや・・・違う。
ココさん、一緒に居よう?
・・・泡じゃない。
ココさん、会いたかった。
・・・手に入ればいい。
ココさん。
小松君を、手に入ればいい。


それだけだ。
僕を救いだ君を。
僕だけの君にして貰おう。



「キッス、おはよう。」
「ガアー」
「ちょっとハットを付き合ってくれる?小松君にお土産でも持って行こうと思って。」
「ガアアァー」
「ふふっ、有難う、行こうか。」

君がいるだけでも、せかいは明るくなる、君を観る度、心が騒ぐ。

こんな予告も無く君のうちの前に現ると、
「どんな顔を見せてくれるのかな。」


叫び出すかな?
それでも微笑んでくれるかな?

真っ先に抱きついてくれると良いな・・・
そうすると、こっちもいっぱい抱き合って差し上げよう。

ふふ。

FIN.

 

青き獣は夢を見た。
心地よいの夢を見た。
目の前に広がる食材やら、空気の中の上品な香り。
ザーザーと響くオルゴール酒の滝、空で浮ぶ鈴のサメ、一面の壁にふんわりなチョコ韮、蓮の葱が香り立つ。
無限に広かる夢の世界、無限に続く食の海。
彼大好きな食材いっぱいある、彼大好物の酒が目の前で溢れる。
それでも青き獣は走り出す、ただ前に進みつづ。
何処にもない匂いを探す、何処にも居ない人を求め。
ただただ進みツヅ。

一本道の界隈に可憐なまつば牡丹が咲く、隣にあるのはコマツナ畑、その上に松の実揺ら揺ら、静に揺ら揺ら。

終わりもない道で走る、居るはずもない奇跡を探す。
青き獣は停まることがなく、全身の力を絞って走りつづ。


あいつが居ないと意味がない。(誰
あいつが居ないと心が焦る。(何故
あいつが傷つくと同じく痛む。(ああ
あいつが泣くと料理は不味くなる。(そうだ
あいつは何処に居る。

青き獣はピタと動きを止まる、手を握り空を見上る。

…ああ、そうだ。
何時かそうになった。

小松が居ないと食材は美味い料理になれない。
小松が居ないと心は休めれぬ。
小松が傷つくと自分の無力さに腹を立つ。
小松が泣くと料理もしょっぱくなる。
…小松が好きだ。

…ああ、そうだ。
いつの間に好きになっちまった。

…会いてぇ…




小松に会いてぇ。



青き獣は目を閉じる。










「…はっ!」

「…なんだよ、夢がよ。」
「…。」

「10時か、よし、そっちに着くと丁度いい。テリー。」
「きゅう?」
「留守頼んだぜ。俺は行く。」
「きゅうう。」
「何処にだって?決まってるんだろうか。んじゃ。」
テリーの目に映るのは、主人の妙にご機嫌な笑顔だけである。





「よ!小松、邪魔するぜ。」
「ええ??トリコさん?!ドどどどうしたんですか?今日は休日ですよ?」
「だからおまえんちに来たんだろうか。それくらい分かってる。」
「いいえそうじゃなくて・・・」
「んあ?」
「ぼくのうちにある食材ではトリコさんの胃袋を満たすことができませんよ?」
「・・・おまえんちの食いモンを目当てで来たじゃねぇよ。」
「え?そうなんですか。」
じゃあ、何のご用件で?って小松が問う。

「お前を会いに来た」
「…へ?」
「だからー」













青き獣はゆめをみた。
彼が居ないの夢を見た。
そのゆめでめを覚めた。
その夢で自覚した。



夢を見る青き獣。
人に懐く青き獣。



FIN.
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